俺のロボ展

俺のロボARTコンテスト2019 審査結果発表

 

このコンテストは、2019年11月15日(金) ~ 11月29日(金)まで、東急ハンズ渋谷店B2Cフロアにて行なわれ、一般のお客様の投票により、
合計226票が集まりました。
さらに造形作家、画家、イラストレーター、HOW HOUSEの店長など、「レトロフューチャー編」に参加した合計30名の審査員の審査結果を加算した結果、以下の通りの入賞作品が決定しましたので発表致します。
入賞した3作品は、「ゆけ!!俺のロボ展2019 レトロフューチャー編」の巡回展の期間(2020年1月17日 ~ 2月2日)、谷中に新しく誕生する2階建てのギャラリー【HOW HOUSE EAST】にて展示させていただきます。

[俺のロボARTコンテストの詳細はこちら]
[本コンテストに参加した9体のロボはこちら] (Facebookページ)

 

最優秀賞 【319ポイント】

Banana bugs(Maple ver.)    夢工場の工場長

受賞特典:「ゆけ!!俺のロボ展 2020 ジパング編」への正式参加権と同ガイドブックへの作品掲載、ギャラリー HOW HOUSE EASTでの個展開催権

審査員コメント
・テーマに最も沿っている作品と感じた。デザインも親しみやすく、まとまっていると感じた。(CHIKA TOYS)
・カワイイ!!!(O.MORO DESIGN)
・おはなしのこれからが楽しみです。(ヨシカワゴエモン)
・オリジナリティーがあり世界観も楽しくて良い。(関真生(MASAKI))
・モチーフをミックスして作られていて、発想がとても良いです。(荒川仁)
・全体的に懐かしい雰囲気を纏いつつも、愛くるしい造形にとてもオリジナリティを感じました。一点ものの作品ですが背景の物語を想像できる点が素晴らしかったです!(坪井一)
・作家さんの表現したい物がしっかり作られていて、ここにはないロボットの周りの景色まで想像できるような作品だと思いました。(野上悠 / パコメカ)

一般の方からのコメント
・夢のあるデザイン。
・バナナがロボットだなんてかわいいじゃないですか!
・発想がユニークで、身近なバナナのアイデアが良い。
・バナナと楽団という組み合わせが面白い。表情が豊か。
・パッと目に飛び込んできました!バナナでかたつむりみたいで、虫のようですごい独創的!!
・Banana bugsと乗っている人物の表情が好き。レトロな感じもかっこいい。
・物語の導入のような感じのコンセプトで先を見たいと思った。

 

2位 【165ポイント】

ガトリングタンク NO.8    小林けいすけ

受賞特典:HOW HOUSEでのワークショップ参加権もしくは次年度コンテスト参加への無料招待

審査員コメント
・メカな感じが気に入りました。(TAIZO)
・蝶番でキャタピラを作る発想がいい。オリジナルパーツを作って使えばもっとオリジナリティーが出ると思う。(NORWORKS)
・回を追うごとに進化が見られ、この先がとても楽しみです。(宇田川誉仁)
・とても目をひく作品だと思いました。よく見ると、蝶つがいなど知っているパーツがあって面白かったです。(岡野慶子)
・金属光沢に弱い世代です。(中村豪志)
・何よりもまずメカメカのインパクトがあった。(樋口雄一)
・メタルの質感が見ていて心地いいです。その昔に発売されていた、金属組み立てキット『デルタックス』を思い出しました。個人的にキャタピラが好きなので、そのぶん、高評価とさせていただきました。(野林賢太郎 / ART OFFICE WIT)

一般の方からのコメント
・一番メカメカしくて見入ってしまったので。これが動いてるところを想像して楽しくなってしまった。
・ロボロボしてて動かしたくなる。
・ガトリングロマンの考えに共感したから。
・ロボの内部構造がどうなっているかなどを見るのが好きなので、この作品の構造がむき出しになっているところがとても好きです。それと装甲を使い切ってしまってエンジンが丸見えになってしまっているといった裏事情なども作品を眺めていると垣間見られてすごくいいなと思います。
・日常の物を上手に使っている。

 

3位 【160ポイント】

いたずらロボっち    l’outil

受賞特典:HOW HOUSEでのシルクスクリーン工房利用招待

審査員コメント
・丁寧な作り。物語性。うちの店で預かったらすぐにでも売れそうだなーと思いました。(ANDY WORKS)
・小さいロボット達が、夜の廃墟、スパナで遊んでいる・・・なんて可愛い光景。このフレームの中でロボット達が動いているのが想像できました。(HiWaPlus)
・かわいいロボがいっぱいいて少しずつ全部ちがってておもしろい。大量に動き出しそうでワクワクする。(すぎやまケイタ)
・小さい可愛いロボが沢山という構図がストライクでした。(ミツタケ)
・ユーモア性を表現してて、こんなロボがうろちょろしている世界は楽しそうと思ったので。(河津一守)
・ロボットの見せ方がとても独創的です。背景の鉄板やロボットのロゴ等、細部まで完成度が高いです。(田上司朗)

一般の方からのコメント
・たくさんのロボっちたちが1体1体とてもかわいいのと、部屋の壁に飾りたいサイズ感がとても好みでした。
・ひとつひとつのロボの表情がステキ。額内の小さな世界にまとまってるカンジが好きです。
・個性豊かなチビロボたちがなんともキュート。ギコギコにぎやかな音がしてきそうで楽しい。
・鉄やオイル、工場のにおいを感じる。ユーモアとやさしさのある作品。

 

順位 作品名 作家名 審査員ポイント 一般ポイント 合計ポイント
最優秀賞 Banana bugs(Maple ver.) 夢工場の工場長 65ポイント 254ポイント 319ポイント
2位 ガトリングタンク NO.8 小林けいすけ 25ポイント 140ポイント 165ポイント
3位 いたずらロボっち l’outil 35ポイント 125ポイント 160ポイント
4位 3C 本多周 14ポイント 95ポイント 109ポイント
5位 A.I.Nyan(アイニャン) fujito craft 29ポイント 63ポイント 92ポイント

 

総評

今年会場に並んだのは、立体6作品と平面3作品の合計9作品でした。
毎度のことですが、今年の作品もみなレベルが高く、可動や点灯などのギミック付きのものなど、
制作にたっぷりと時間をかけた力作が目立ちました。
立体作品にはアクリルケースを被せ、横一列で同じ高さに並べることができた為、陳列の不公平感は今までで一番少なかったのではないかと思います。
審査会場はB2Cフロアの一番奥でしたが、1日15票くらいのペースで投票されていました。
2018年は21日間で285票、今年は15日間で226票だったので、だいたい同じペースで投票されたようです。

昨年までの審査はデザイン、アイデア、テクニックをそれぞれ10点満点で審査し、すべての作品にポイントをつけるスタイルでした。
その為すべての作品のポイント数が高くなり、審査結果が僅差になってしまうことが問題でした。
今年は審査員が気に入ったもの(最大5作品)にのみ、持ち点30点を割り振るという方法で票数に差がつくようにしたつもりでしたが、
やはり2位と3位は僅差で、あと1日投票期間が長ければ順位が入れ変わっていた可能性もあります。
ただ、1位の「Banana bugs」は大きく飛び抜けていて、一般票も審査員票も集めた、文句なしの1位となりました。
「夢工場の工場長」さんは韓国からの参加で、2017のコンテストにも参加してくれて、4位タイを受賞しています。
今回の作品はケースを被せて展示する為、電源を入れられなかったのですが、実際には目やまぶたもコントロールすることができる、
まさに機械仕掛けのロボットです。
これだけの熱量で作った作品を、本コンテストに出品してくれたことをとても嬉しく思います。
来年の「ジパング編」に参加して、どのような観点から日本を切り取ってくれるのか、今からとても楽しみです。

2位の小林けいすけさんは今年3度めの参加で、毎回作家陣から受けたアドバイスをしっかり反映させて挑んでくるので、
進化する様を楽しませていただいてます。今回2位に選ばれて、ほんとにおめでとうございます!
写真に撮った時、操縦しているロボットが足元まで見える、キメのアングルがあるともっと良かったです!

3位のl’outilさんの作品は平面部門でエントリーしていましたが、厚みのある額の中で展開する立体作品で、
壁掛けで展示できるという点がとても販売向けで、「あ、これ売れる」と思いました。
ロボットの造形は古典的でシンプルだけど愛嬌があり、どんな部屋の壁にも馴染む気がします。
とても丁寧な作り込みのおかげで、サビ塗装をしていても清潔感があり、とても上品に見えました。

昨年の総評でも書きましたが、このコンテストの最優秀賞は個展やグループ展への参加権が副賞となっているので、受賞の先のステージ=作品に値段を付けて販売することを目指しています。
今回の入賞の3名はやはりその部分で抜きん出ていたのではないかと思います。
それぞれの作品を購入するお客さんの顔が見えてきます。

4位の本多さんの作品は切り口と手法が斬新でした。昨年も「主婦407号」というタイトルで、スーパーのレジ打ち業務でパンク寸前の主婦型ロボットを描き、一般票で「わかる!」などの共感コメントを獲得していました。
今年はメゾチントという一見ロボから遠そうな技法を選び、またロボらしからぬものを描くことで、独特の世界観を作り出し、審査員からのコメントも集めていました。
だんだんこの方の作家性が見えてきた気がします。

5位のfujito craftさんのA.I.Nyan(アイニャン)も申し分のないクオリティで、
実際の可動と破綻のないフォルムを追求した過程が造形から見えてきて、まるで研究者のようなタイプの作り手の方だなと思いました。
この先いろいろな動物が現れると、もっと面白くなるのかなと思いました。
カモノハシとか作って欲しいです。

今回受賞にもれた作品たちにも、コメントをいただいております。
1月17日からはじまるHOW HOUSE EASTでの巡回展の最中に、ひとつひとつの作品に対する審査員やお客様、私のコメントをFacebookページに掲載させていただく予定ですので、そちらもぜひお楽しみくださいませ!
最後にエントリーしてくれたみなさまへ「ORAC 俺のロボARTコンテスト2019」へのご応募、ありがとうございました。
そして会場へ足を運んでくださった多くの方々へも心よりお礼申し上げます。
2020年もコンテストを開催します。我こそはという方はぜひご参加くださいね!

HOW HOUSE店主 ANDYより

2019-12-08 | Posted in 俺のロボ展Comments Closed 

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